ブラック企業からは心置きなく逃げろ! 3
ブラック企業からは心置きなく逃げろ! 2 - 澪の小説ブログ
↑の続き、このシリーズの第3弾となります!
ある日、仕事をしている最中だった。
その日は徹夜はする事なく帰れる予定の日だった。
そんな中、定時を過ぎたぐらいの時間に上司から『今日、この後飲み会やるから来て。』と誘われた。
参加するのは私、無賃早出させて来た上司(以降、無賃上司/笑)、フリーランスのベテラン、自分より1年先に入社したオタクっぽい社員(以降、オタク社員/笑)の4人だった。
正直、誰とも仲良くなかったので嫌だなと思ったが、断れる雰囲気ではなかったので、半ば強制的に参加させられる事に。
※その会社にはフリーランスの映像編集者がよく来ていて、フリーの人はほぼお馴染みの人ばかりだった為、半分社員のような感じであった。
その日は21時頃終わった。
無賃上司とフリーの人は先に仕事を終えて、会社近くの飲み屋に既に着いていた。
オタク社員は『待たせているから走って行くぞ。』と言い、私を連れて行った。
飲み屋に着き、適当に頼んだ。
既に着いていた2人はお酒も結構飲んでいるようだった。
そして、オタク社員は着いてすぐ、物凄いペースでビールを飲んでいた。
僕以外の3人はず~~~っと仕事の話ばかりしていた。
同じ職場の人と仕事後に仕事の話をするのがここまでつまらないものかと思った。
すると、オタク社員はだいぶお酒に飲まれ、私に向かい急に攻撃的な口調になった。
『お前、嘘くさい愛想振りまいてるな!』とか『殴るぞ!』という強迫が始まった。
後で聴いた話だが、そのオタク社員は学生時代、いじめにあっていたらしく、年上だろうと何だろうと男の後輩社員に異様に厳しかった。
無賃上司もフリーの人もそれを良しとしており、止めては来なかった。
それどころか、私がいる前で『最近入った新人達にもっと仕事やらせようぜ!』と話し始めた。
最近入った社員とは、私と私の1ヶ月前に入った女性社員、私の2ヶ月後に入った男性社員の3人の事だ。
そして、無賃上司とオタク社員が中心となり、私は『来るのが遅い。』と延々と言われた。
もちろん、遅刻などは1度もした事がなかったし、あれ以降、1度の腹痛の日を除いて(前記事参照)、毎日30分前に出社していた。
『てめぇ、マジでウチの会社辞めんじゃねえぞ!』や『お前にもっと厳しくしていくからな。』、『ってか、コイツに色々押し付けようぜ!』、『他の新人はお前が引っ張って行けよ。』などなど、そんな感じの暴力的な発言が沢山あった。
いわゆる、パワハラというものだ。
その時に、この会社にいるのはダメだと悟った。
後日、前述の新人3人で話す機会が偶然あった。
そこで辞めたいなと思ってると伝えた。
飲み会で浴びせられた発言は念の為黙っておいた。
すると、2人とも会社には相当不満を持っていたようで、同じく辞めたいと言っていた。
しかし、辞めると言い出した時の会社側の反応はどういうものになるかと考えると、なかなか言い出せない、というのが共通してみんなにあった。
この2人の存在は自分にも支えになった。
そのすぐ後、新人の内1人の男性社員はパワハラが原因で鬱病と診断された。
そして彼は入社して2ヶ月経たずに退職した。
彼は『僕が辞める事によって、新人の皆さんへの当たりが少しでも緩くなるんじゃないですかね?』と言っていた。
が、実際は社内は『最近の若い奴は~』といったような愚痴で溢れていた。
そして、もう1人の新人社員である女性社員もその少し後に辞めた。
何となく感じていた事だが、社長はその女性社員をあまり気に入ってなかったように思う。
なので、辞めると伝えた時は意外とあっさりと了承したらしい。
その人が辞めると同時に、男性社員が1人入社した。
その人とはすぐに仲良くなった。
ちなみに、彼は入社して1週間ほどで辞めたいと言っていた(笑)。
もちろん、自分も辞めたいと思っている事は伝えた。
ちょうどその頃、ウチの会社は繁忙期になった。
すぐにでも辞めたかったが、「こんな時期に言われても」となると思ったので、この繁忙期を終えたら辞めようと思った。
繁忙期は本当に奴隷のような生活であった。
夜1時に終わって、近くのカラオケボックスで寝泊まりして、翌日朝から出社というような、そんな生活だった。
まともに休みがあった記憶がない。
食事もおにぎりか例の出前システムだ。
また、私はこの時期に無理矢理研修を終わらせられてしまい、実戦に入れと言われた。
現場では分からない事が沢山出て来た。
まず、何より教育がしっかりとなされていない会社だったのだ。
『分からないじゃない、やれ。』といった感じだ。
繁忙期中のある時、社長の怒鳴り声が聞こえた。
どうやら、オタク社員がミスをしたらしい。
間違った内容のDVDを工場へ制作依頼してしまったらしかった。
『何で間違えるんだ!』と怒鳴り散らされ、オタク社員はティッシュで涙を拭いていた。
『お前、ちゃんと飯食って寝てんのか!』と社長は言っていたが、それをさせていないのがこの会社である。
その後も工場に行って出荷停止依頼をして、それにどれぐらい労力が掛かって、とかそんな事を言っていた。
そして、その八つ当たりが私に飛び火した。
『お前の学びが悪いから、先輩のコイツがこんな事になるんだぞ!』と。
そんなこんなで繁忙期を終えた。
それと同時に、仲の良かった1番新人の男性社員が退職する事を社長に伝えていた。
自分もこの流れに乗ろうと思い、まず両親に退職したいと思っている事を話した。
両親共に古い考えの人だったから、入社半年で辞める事に対して咎めて来るかもしれないと思ったが、会社の現状をほんの一部話しただけで『それだったら辞めても良いよ。』と言ってくれた。
団塊の世代のウチの父も最初は驚いた様子だったが、『あまりにも酷い会社だな。』と言っていた。
翌日、私は出社し、社長を呼んで、退職する事を伝えた。
続く