澪の小説ブログ

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ブラック企業からは心置きなく逃げろ! 5

mio-novel.hatenablog.com

↑の続き、当記事は第5弾です。

 

 

全く予習のできなかった仕事も無事に終えて、その日は徹夜になる事なく帰る事ができた。

その日は金曜日であった為、私は明日も仕事があったが、事務方の人とはその日が会社で会うのは最後だった。

お世話になったと伝え、一応社長にも挨拶をする事にした。

※社長も土日は休み。

 

もうこの時点で、穏便に辞める事はできないと悟っていたが、奥の部屋で腰深く座っていた社長に『お世話になりました。』とだけ告げた。

社長は勢い良く立ち上がり、詰め寄って来た。

『お前を殴ってやりたいわ。』と言った。

それが社長との最後の会話になりました。

 

ある意味ブレない人だなと思った。

その日は1日気分がとても悪かった。

 

翌日は土曜日だったが、出勤だった。

その日も夜まで仕事だった。

最後はしっかりやろうという気持ちを何とか奮い立たせ取り組み、ようやく終わった。

※本当は日曜日も出勤でしたが、そちらはクライアントの都合でキャンセルになりました。

22時を過ぎ、私は会社を出た。

もう2度とここに足を踏み入れる事はないだろうと思ったが、不思議なぐらい寂しさも名残惜しさもなかった。

それは半年だけという短期間だったからではないだろう。

かつて違う会社でインターンシップをやって、それが終わる時でさえも寂しさはあったけれど、今回は微塵もなかった。

 

会社から最寄り駅まで向かう私の足取りはとても軽かった。

期末テストが終わった時、受験勉強から解放された時、部活のキツい合宿を終えた時、色々な場面でこれまでも解放感を味わってきたが、なかなかこれに勝るものはいまだにない。

先に辞めた3人の社員にもLINEを送った。

しばらく会えていなかった友達にもLINEを送った。

翌日が日曜日だったので、その友達とは翌日会おうという事になった。

この会社を続けていたら、間違いなくそんな事はできなかっただろう。

翌日から無職という焦りは全くなかった。

それより解放感の方が圧倒的に勝っていた。

とりあえずは、失われていた睡眠時間も取り戻そうと思った。

 

 

あれから5年以上経つが、辞めて正解だったかどうか迷う事はいまだにない。

正解だったと断言できる。

社員の1人は『労働基準法なんて守ってられるかっつうの。』とよく言っていた。

別の社員は『この業界、ブラックなんていう概念すらないから。』と言っていた。

優しい女性社員は『その内、こき使われるようになりますよ。』と言っていた。

入った初日に社長と社員が『大変な事は新人が全てやるのが役目だ。』と言っていた。

社長は『ウチの会社は緩過ぎて批判が来てるぐらいなんだよ~。』と言っていた。

 

ある時、事務方の方から給与明細を渡された時、近くにいた上司が『それ観せろよ。』と言って来た。

なんて非常識な人だろうと思ったが、断れずに観せた。

『お前、俺と基本給一緒じゃねぇかよ!』と言っていた。

基本給はとても低かった(20万なかった)。

昇給がない事がそこで分かった。

残業代は付いたが、それで稼ぐというやり方だった。

 

会社を辞めた翌日、友達と久し振りに会って、会社にいた時の話をした。

寝る時間も食べる時間も決められてる刑務所よりも酷いなと笑いながら言っていた。

だいぶ割愛したが、まだまだブラックな要素は沢山あった。

 

 

懸念していた点と言えば、1ヶ月後は今月の給料が入るが、その後は無収入である。

また、半年で辞めたという履歴書の汚れは次の就職活動に響くだろう。

だが、それすらも天秤に掛けるまでもないと思った。

 

聴いた話だと、私が入る前、たった2ヶ月で辞めた人がいて、どうやら私の2代前から人が全く定着していなかったらしい。

私を含み、5人連続で辞めていた。

3代前は5人ほど採用したらしいが、1人は私の入社前に辞めており、もう1人私の退職後に辞めたらしい。

そんな状況まで来たら、自分達の体制に問題がないか疑問に思うのが普通であると思う。

 

その中では半年続いた私は意外にも長い方だった。

しかし今思えば、“せっかく採用してもらったのに辞めるのは申し訳ない。”とか“繁忙期前に辞めるのは申し訳ない。”とか色々と思ったが、そう思う必要はない。

この会社に限らず、辞めたいけど辞めたら迷惑が掛かる、というように悩んでいる人も多くいるだろう。

けれど、それは辞めて打撃を受けるような体制を取っている経営者の責任だ。

法律の通り、退職の場合は最低1ヶ月前に辞める事を申請すれば良いのである。

恐らく、あからさまなパワハラがある場合は、1ヶ月以内でも許可は出るかもしれません。

また、この会社では有休という制度の話を全く聴きませんでしたが、有休が余っている人はそれを消化する形で辞める事もできるはずです。

 

社長は私に退職希望の旨を伝えられ、ならば気分悪くしてやろうという方向に定めたのかもしれません。

しかし、ここで「辞めないでくれないか。」、「もう少しだけ考え直してくれないか。」とでも言われれば、私ももう1ヶ月続けてみて考え直したかもしれません。

文句を言うという事は、理由はどうあれ続けてほしいと思っていたはずです。

その気持ちをストレートにぶつけてくれれば、私も本音を言ってお互いの希望を言い合えたかもしれません。

「こういう現状がある、そこを改善すれば、社員の定着率も上がると思う。」と冷静に話し合う事ができただろう。

しかし、実際には他の社員のいる前で、退職に対する文句を延々と垂れ流されただけであった。

そんな言葉を受けて、「やっぱり続けます!」と言うはずがない。

よくあんな滑稽なカッコ悪いやり取りを他の社員の前で観せられるなと不思議でしょうがなかった。

これまでの会社の内情を踏まえれば、私が続ける可能性は限りなくゼロに等しいと思うが、少なくとも社長があの時冷静に2人きりで「辞めないでほしい。」と伝えてくれていれば、退職する際に“本当に辞めてしまって良かったのかな?”ぐらいの事は思えただろうし、趣味でやっている制作(映像も絡む)で客としてお世話になる事もできたかもしれない。

 

 

勤めている会社がブラック企業で悩んでいる人には声を大にして私は言いますが、“心置きなく逃げろ!”と思います!

 

会社が良くても、ブラック社員がいる場合も同じです。

ブラックな人間に“こうしたら迷惑かな?”という貴方の優しい気遣いは通じません。

会社を辞めた後は知ったこっちゃない。

そう思いましょう。

 

 

 

ここまでお読みいただいた皆さん、ありがとうございます!

少しでもブラック企業に悩む人達の後押しになると幸いです。

 

次回は、ブラック企業を辞めた後の就職活動と、ブラック企業の断末魔をお伝えします!

 

 

続く